経理代行サービスとは?依頼可能な業務内容やメリット・料金相場から失敗しない選び方まで徹底解説!

経理代行サービスとは?依頼可能な業務内容やメリット・料金相場から失敗しない選び方まで徹底解説!

経理代行サービスとは?依頼可能な業務内容やメリット・料金相場から失敗しない選び方まで徹底解説

ビジネス環境が激しく変化し、人手不足が深刻化する昨今、多くの企業がバックオフィス業務の効率化に向けて「経理代行サービス」に注目しています。経理代行とは、自社の経理業務の一部またはすべてを、外部の専門会社に委託(アウトソーシング)することを指します。

とはいえ、「具体的にどのような業務を任せられるのか」「自社の事業規模やクラウドシステムに合っているのか」「外注にかかる料金相場はどれくらいなのか」と、さまざまな疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで本記事では、経理代行サービスに依頼できる主な業務の種類や、それぞれの詳細について分かりやすく解説します。

また、経理代行サービスを利用するメリットや導入時の注意点、失敗しない依頼先の選び方に加え、よくある質問(FAQ)まで網羅的に紹介します。経理部門の負担を減らし、自社の事業成長を加速させたいと検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。

経理代行とは?

経理代行とは?

経理代行とは、自社で行っている日々の経理業務や月次・年次の財務処理を、外部の専門業者(税理士事務所や代行会社など)に委託し、正確かつ迅速に処理してもらうサービスのことです。

経理業務は、日々の現金の出納管理や帳簿づけから、給与計算、従業員の経費精算、そして最終的な決算書の作成まで非常に多岐にわたります。これらは企業を運営する上で欠かせない重要な業務ですが、専門的な税法や簿記の知識が求められる分野であり、1円のズレも許されない厳密な正確性が重視されます。

経理代行サービスは、税理士事務所や会計事務所をはじめ、経理業務に特化したアウトソーシング企業(BPO事業者)などが提供しています。最近では、最新のクラウド会計システムを導入し、オンライン上でリアルタイムに数値を共有しながら、リモート環境でスムーズに業務を進めるスタイルが主流になりつつあります。

自社で行うには負担の大きいこれらの経理業務を外部に委託することで、社内の限られたリソースをより重要なコア事業(営業、企画、マーケティングなど)に振り向けたり、月末月初に集中しがちな従業員の残業負担を軽減したりすることが可能になります。

記帳代行との違い

経理代行と似た言葉に「記帳代行」があります。記帳代行とは、経理業務の中でも「領収書や請求書などの証憑(しょうひょう)書類をもとに、会計ソフトへ取引データを入力し、仕訳帳や総勘定元帳などの帳簿を作成する業務(記帳)」に特化して代行するサービスです。

一方で「経理代行」は、記帳業務はもちろんのこと、給与計算、振込代行、請求書の発行、売掛金の消込作業など、経理部門が行う実務全般を幅広くカバーします。つまり、記帳代行は経理代行という大きな枠組みの中に含まれる一部のサービスであると言えます。

経理代行サービスに依頼できる主な業務

経理代行サービスに依頼できる主な業務

経理代行サービスでは、企業の規模や抱えている課題に合わせて、さまざまな経理業務をカスタマイズして依頼することが可能です。

ここからは、その中でも代表的な業務と、その内容について詳しく解説します。 

対応可能な主な8つの業務

経理代行サービスでは、日常的な入力作業から専門知識が求められる業務まで、自社のニーズに合わせて幅広く委託することが可能です。代表的な業務内容は以下の通りです。 

① 記帳業務: 領収書や請求書のデータをもとに、日々の取引を会計システムへ正確に入力し、帳簿を作成します。

② 経費精算: 従業員が立て替えた交通費などの確認・精算処理を行い、クラウドシステムを利用してペーパーレス化も支援します。

③ 給与計算: 勤怠データとの連携や、社会保険料・税金の計算など、正確性と法改正への対応が求められる毎月の業務を代行します。

④ 支払い・振り込みの代行: 取引先への買掛金や従業員への給与などの振込データ作成を代行し、ミスのない確実な支払いをサポートします。

⑤ 売掛金・買掛金管理: 請求金額が期日通りに入金されているかの確認(消込作業)や、支払い漏れのチェックを行い、資金繰りの悪化を防ぎます。

⑥ 請求書発行: 月末月初に集中する請求書の作成から発行(電子送付や郵送)までの工程を代行し、業務負担を大幅に軽減します。

⑦ 年末調整(税理士業務): 各種控除の計算や書類の確認など、年末に負担が集中する所得税の精算業務を代行します(税理士の対応が必要)。

⑧ 決算・申告(税理士業務): 年1回の本決算などで企業の収支を集計して利益・損失を確定させ、税務署への申告手続きまでを代行します(申告は税理士の対応が必要)。

経理代行の依頼先とそれぞれの特徴

経理代行の依頼先とそれぞれの特徴

経理代行を依頼できる窓口は、大きく分けて「税理士事務所・会計事務所」「経理代行会社(BPO事業者)」、そして近年増えている「フリーランス・オンラインアシスタント」の3つが存在します。以下に、それぞれの依頼先の詳細と特徴を解説します。 

税理士事務所・会計事務所

税理士事務所や会計事務所には、国家資格を持ち、会計や税務申告を専門とする税理士が在籍しています。

前述の通り、経理業務の中には、年末調整や各種税務申告など、税理士法で定められた「税理士の独占業務」が含まれています。これらの業務は、税理士事務所や会計事務所に依頼すれば、コンプライアンス上まったく問題なく、税務の専門家の視点で対応してもらうことが可能です。

日々の記帳業務から、経営判断に役立つ節税のアドバイス、そして最終的な決算申告までを、一人の専門家に一括して依頼したい企業に最もおすすめです。ただし、税務顧問を主軸としている税理士事務所の中には、「記帳代行や税務申告は行うが、日々の振込代行や請求書発行などの細かい経理実務までは対応していない」というケースもあるため、どこまでの範囲を依頼できるか事前の確認が必要です。

経理代行会社(BPO事業者)

経理業務の効率化や運用代行そのものを主たるサービスとして事業展開しているのが経理代行会社です。記帳や帳簿作成、月次決算の締め作業、給与計算、請求書発行、振込代行など、手間のかかる実務作業を広くカバーして代行してもらうことができます。

経理代行会社の強みは、クラウド会計システムの導入支援や、経理フロー自体の業務改善(DX化)に長けている点です。ITツールを駆使して、よりスピーディでミスのない経理体制を構築してくれます。

なお、前述の通り年末調整や税務申告などの業務は税理士の独占業務にあたるため、一般的な経理代行会社のスタッフが直接行うことは法律で禁止されています。決算申告も含めて丸ごと代行を依頼したい場合は、その代行会社が「税理士法人を併設・グループ化しているか」、もしくは「外部の提携税理士が申告部分を担当する適法な仕組みになっているか」を必ず確認しましょう。

フリーランス・オンラインアシスタント 

クラウドソーシングの普及により、個人事業主(フリーランス)の経理経験者や、オンラインアシスタントサービスに経理業務の一部を業務委託するケースも増えています。

この方法は、比較的安価な料金で柔軟に業務を依頼できる点がメリットです。しかし、個人のスキルに依存するため品質にばらつきが出やすい点や、担当者が病気などで稼働できなくなった際に業務がストップしてしまうリスクがある点に注意が必要です。スポットでの依頼や、小規模な経理作業の切り出しに向いています。

経理代行サービスの料金相場

経理代行サービスの料金は、「依頼する業務の範囲(記帳のみか、振込や給与計算も含むか)」「従業員数や毎月の仕訳(取引)の件数」「依頼先が税理士か代行会社か」によって大きく変動します。

一般的な経理代行会社の月額料金の相場は以下の通りです。

  • 記帳代行のみ:月額1万円〜3万円程度(仕訳件数100〜300件程度の場合)
  • 給与計算:基本料金1万円〜2万円 + 従業員1人あたり1,000円前後
  • 経理業務全般(丸投げプラン):月額5万円〜15万円程度(企業の規模による)
  • 決算・申告(年1回):10万円〜25万円程度

「格安」を謳うサービスもありますが、料金が安い場合は「システムへの入力のみで、領収書の整理は自社で行う必要がある」など、対応範囲が狭いことが一般的です。見積もりを取る際は、月額料金だけでなく「どこからどこまでの作業が含まれているか」を詳細に確認することが大切です。

経理代行サービスを利用するメリット

経理代行サービスを利用するメリット

経理代行サービスを利用することで、企業はさまざまな恩恵を受けることができます。ここからは、具体的なメリットとその詳細について解説します。

経理代行サービスを利用する7つのメリット

経理代行サービスを利用する7つのメリットを紹介します。

① コア業務にリソースを割ける 経理業務を外部に委託することで、経営層やスタッフは営業活動やサービス開発など、利益拡大に直結する本来のコア事業にリソースを集中できます。

② 人手不足の解消に繋がる 採用が難しい経理のプロフェッショナルチームを即座に活用できるため、深刻な人手不足を解消できます。月末などの繁忙期のみリソースを補うといった柔軟な対応も可能です。

③ 人材採用・育成の負担が減る 専門知識を持つ経理のプロが実務を担当するため、自社で求人募集や面接を行ったり、一から教育研修を行ったりする手間とコストを大幅に削減できます。

④ 各種コストを削減できる 専任担当者を雇用し続ける必要がないため、固定的な人件費や社会保険料などのランニングコストを抑えられます。また、クラウドシステムを活用することで、ITインフラの維持費用も削減可能です。

⑤ 不正防止の効果が期待できる 承認フローに第三者の厳しい目が加わることで財務状況の透明性が高まり、業務のブラックボックス化や社内不正(横領や改ざんなど)を未然に防止する効果が期待できます。

⑥ 経理業務の属人化を防止できる 代行会社側でマニュアルが整備され、チーム体制で処理が行われるため、特定の担当者の退職や休職によって経理機能がストップしてしまう「属人化」のリスクを完全に回避できます。

⑦ 法改正や最新システムに迅速に対応できる インボイス制度や電子帳簿保存法など、頻繁に行われる法改正に対しても、代行会社の専門家が主導してクラウドシステムをアップデートしてくれるため、自社の負担なく安全に対応できます。

経理代行サービスを利用する場合の注意点とデメリット

経理代行サービスを利用する場合の注意点とデメリット

一見メリットの多く見える経理代行サービスですが、外部の企業に会社の根幹に関わる重要な業務を任せる以上、利用する際にはいくつか気をつけるべき注意点やデメリットもあります。

ここでは、導入後に後悔しないための代表的な注意点とその対策を解説します。

経理代行サービスを利用する際の5つの注意点とデメリット

経理代行サービスを利用する際の注意点とデメリットを5つ紹介します。

① 情報漏洩のリスクがある 財務データや給与などの機密情報を外部に渡すため、漏洩リスクが伴います。PマークやISMS認証の取得、通信の暗号化、NDA締結など、委託先のセキュリティ体制を厳しく確認することが重要です。

② 自社にノウハウや知識が蓄積されない 全業務を丸投げすると、社内に実務手順や知識が残りません。将来的な内製化を見据える場合は、委託範囲を限定するか、業務フローのマニュアル化まで支援するサービスを選ぶのが有効です。

③ 社内の人材育成が滞る可能性がある 実務作業を外部に任せることで若手が経験を積む機会が失われ、次世代の経理リーダー育成が難しくなります。単純作業のみを委託し、高度な財務分析などは社内に残すといった戦略的な切り分けが必要です。

④ 詳細な進捗状況がリアルタイムで分かりづらい 外部スタッフが処理するため、「最新の売掛金残高」などが即座に把握しにくくなります。同じクラウド会計システムでのリアルタイムなデータ共有や、チャットツールでのスムーズな連携体制が不可欠です。

⑤ 委託範囲によっては今よりもコストが増える可能性がある これまで経営者自身が無給で行っていた場合や、全業務を外部に委託した場合は、パートを直接雇用するより割高になることがあります。削減できる見えないコスト(採用費や経営者の時間単価)と外注費を慎重に比較検討しましょう。

経理代行に関するよくある質問(FAQ)

経理代行に関するよくある質問(FAQ)

ここでは、経理代行サービスの導入を検討されている方からよく寄せられる質問をまとめました。ぜひご覧ください。

Q1. 経理代行はどこまで依頼できますか? 

領収書の整理から記帳、給与計算、請求書の発行、振込データの作成まで、経理実務の大部分を丸投げすることが可能です。

ただし、税務署への申告や年末調整は「税理士の独占業務」となるため、税理士が対応するサービスを選ぶ必要があります。

また、最終的な「振込の実行(決済ボタンを押すこと)」は、セキュリティの観点から自社で行うのが一般的です。 

Q2. 今使っている会計システムやExcelのままでも依頼できますか?

多くの経理代行会社は、既存の会計システム(弥生会計や勘定奉行など)やExcelのフォーマットでの対応も可能です。

ただし、業務の効率化やリアルタイムな数値共有によるメリットを最大化するため、導入のタイミングで「マネーフォワード クラウド」や「freee」などの最新のクラウドシステムへの移行を提案されるケースも多くあります。 

Q3. 個人事業主(フリーランス)や立ち上げ直後の法人でも利用するメリットはありますか?

はい、大きなメリットがあります。立ち上げ期は経営者自身が営業やサービス開発に集中すべき時期ですが、経理業務に時間を奪われて本業がおろそかになるケースが少なくありません。

仕訳件数が少ない小規模向けの安価なプランを提供している代行会社も多いため、初期からプロに任せることで正しい財務基盤を作ることができます。

Q4. 経理代行の契約形態は「業務委託」ですか?人材派遣との違いは何ですか? 

 経理代行は「業務委託契約」となります。人材派遣は「人」を借りて自社の指示のもとで働いてもらう仕組み(時給制が多い)ですが、経理代行は「経理業務という成果物」に対して報酬を支払う仕組みです。

そのため、担当者の退職による引き継ぎリスクがなく、代行会社が品質を担保して継続的に業務を遂行してくれる点が大きな違いです。 

まとめ

本記事では、経理代行サービスに依頼できる業務内容の詳細や、依頼先(税理士事務所と代行会社)の違い、導入によって得られるメリット、そして利用時に気をつけるべき注意点・料金相場について網羅的に解説してきました。

経理代行サービスは、最新のクラウドシステムを活用することで、慢性的な人手不足の解消や業務効率の大幅な向上、属人化の防止といった企業の事業成長を強力に支える効果が期待できます。一方で、セキュリティへの配慮や、社内ノウハウの蓄積が進まないこと、委託範囲によってはコスト増加に繋がるといったリスクも伴います。

そのため、経理代行サービスは自社の事業フェーズや目的に応じて、「何を外注し、何を社内に残すか」を明確にし、適切に活用することが最も重要です。導入を検討している方は、ぜひ本記事で紹介したメリット・注意点を参考に、自社の経営課題を解決する最適なパートナー選びを進めてみてください。

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