どこまで依頼すればいい?経理アウトソーシングの活用例やおすすめ業者を解説!

この記事では、経理アウトソーシングがどこまで依頼できるかについて解説します。経理は専門的な知識・経験が必要で、人手不足や属人化などあらゆる問題に悩んでいるかもしれません。知識や人手の不足は、経理アウトソーシングで解決しましょう。どこまで依頼できるかは業者によって異なるので、予算やニーズに応じて依頼先を決めることをおすすめします。最後にはおすすめの経理アウトソーシング業者について3社紹介するので、ぜひチェックしてください。
目次
経理アウトソーシングの活用がおすすめなシーン

最初に、経理アウトソーシングの活用がおすすめなシーンについて4つ紹介します。
以下のような状況に当てはまる場合、経理アウトソーシングを活用すれば、状況が改善されるでしょう。
繁忙期
経理部は定期的に忙しい時期がある部署と言えるでしょう。
月単位の場合、月初・月末はお金の出入りや締め日の関係で忙しくなりがちです。経費精算や他部署との連携、帳簿記載など、連絡や作業が増えるためです。
また、年単位で見れば決算期や年末調整の時期も繁忙期となり、経理部は対応に追われることになります。「3月から6月」または「12月から1月」が繁忙期と言われており、1年のうち半分は人手や時間を気にすることになるでしょう。
特定の人に負担が偏っているとき
経理は一般的なスキル・知識だけでなく、その会社ならではのルールなども把握する必要があります。新人の育成ができるまでは有識者に負担が偏るというリスクもありえます。特定の人に負担が偏ると、その人が退職したときに業務が滞ってしまうでしょう。
特定の人に経理業務やルールの把握を頼っている場合、経理アウトソーシングで解決できるかもしれません。
新しい人員が来るまで期間が空いているとき
経理部に中途採用などでスキルがある人が来る場合でも、期間が空いているのであれば経理アウトソーシングの活用がおすすめです。
経理アウトソーシングは手続きの時間がかかりますが、引継ぎや育成の手間がかかりません。また、契約期間が決まっているので、必要なときだけ依頼できるのもメリットです。
研修制度が整っていないとき
経理は複雑で膨大な知識が必要で、一人前になるまで時間を要します。会社に研修制度がないと、即戦力を生み出すことは簡単ではありません。OJTで育てるにしても、先輩社員が忙しくて新人に時間をかけられないということもあるでしょう。
会社に研修制度がなくOJTも難しい場合は、経理アウトソーシングに一任すると、必要な戦力をすぐに手に入れられます。
【どこまで依頼できる?】経理アウトソーシングへの依頼業務例

ここでは、実際に経理アウトソーシングにどのような業務を依頼できるか作業例を紹介します。以下のような業務を依頼したい場合、経理アウトソーシングを検討しましょう。
経理アウトソーシングに依頼できる業務は、単位ごとにわけると以下のようなことが挙げられます。
単位 | 業務内容 |
---|---|
日次 | ・現金や領収書の管理・経費の立て替え精算・日ごとの売上集計・在庫管理・伝票作成や管理・その他突発的業務など |
月次 | ・請求書や納品書の発行・在庫の確認・月次決算・給与の計算 |
年次 | ・年次決算・在庫の棚卸・年末調整・償却資産の管理 |
経理の日次業務は、その日のお金の管理がメインとなります。社員がお金を立て替えたり在庫が増減したりするなど、企業では常にお金が動いています。
日次業務は量が多く担当範囲も広いだけでなく、税務署に報告するため正確にこなさなければなりません。
月次業務は毎月のお金の棚卸となります。毎日記載している帳簿に誤りがないか、在庫はあっているかなどを細かくチェックします。また、給与計算も月次業務にあたり、来月給与が変わる社員がいる場合などはより慎重に対応しなければなりません。
そして年次業務としては、年次決算や年末調整などが挙げられます。1年間の集大成で法律にも直結しているため、高いスキルや専門性が求められます。
経理アウトソーシングを活用するメリット

経理アウトソーシングを活用すると、以下のような3つのメリットがあります。ニーズや予算などと照らし合わせて、活用するか検討してください。
残業を減らせる
繁忙期や人手不足のときは、経理の残業時間が増加しがちです。経理アウトソーシングに業務を依頼すれば、経理部の残業を減らせます。残業がネックになって、経理部や会社自体を辞めてしまっては、余計に業務が大変になるでしょう。
経理部の労働環境を改善できるうえに、会社にとっては人件費をカットできるメリットもあります。必要最低限の社員数で抑えられるので、人件費を抑えたい企業は経理アウトソーシングの活用を検討しましょう。
研修にかかるコストや労力をカットできる
経理の業務をこなすには、一定の研修が必要となります。社員が新人を育てる場合は自分の業務がストップしてしまうため、本来の業務に支障が出るでしょう。また、外部の研修を活用する場合、コストがかさむうえに、必ず成果になるとは限りません。
研修にかかるコストや労力をカットできる点は、経理アウトソーシングのメリットです。特に研修制度が整っていない企業は、ぜひ積極的に取り入れましょう。
属人化を避けられる
経理は一般的な知識に加えて、部署や担当者ごとのルールの把握が必要になります。把握している人がいるうちは問題なく業務をこなせますが、休職や退職で後任者がいないという事態にもなりかねません。
また、お金を特定の誰かに一任する状態は、着服や横領などの不正行為のリスクにもつながります。経費水増しや使途不明金などを防ぐためにも、属人化は回避しましょう。
経理アウトソーシングを活用すれば、誰かに業務や情報が偏る状態を予防できます。社員の入れ替わりに左右されず、持続性や再現性があるという点でも、経理アウトソーシングはおすすめです。
経理アウトソーシングを活用するデメリット

一方、経理アウトソーシングを活用する場合、以下のような3つのデメリットも挙げられます。どこまでなら許容できるか判断したうえで、利用を検討しましょう。
社員が育たない
経理アウトソーシングは経理に関する業務を一任でき、社員が経理の業務をしなくていいというメリットがあります。しかし、「社員の経理スキルが育たない」というデメリットにもなりかねません。
経理アウトソーシングとの契約が終わったタイミングなど、経理を担当できる社員がいなければ業務に支障が出るでしょう。
マニュアルを作成しておくなど、社員でも対応できる体制を整えておくことも大切です。
導入の時間やコストがかかる
経理アウトソーシングはスキルや知識は備えていますが、企業のルールや担当者などは契約が決まってから伝達します。業務の説明やマニュアルの共有などの準備に時間がかかるため、すぐに導入できるわけではありません。
また、自社の社員が教えるよりもコストがかかります。コストは依頼する業務によって異なり、以下の金額が相場と考えられます。
- 記帳代行:1仕訳あたり約50~100円
- 経理代行(常駐):月額90万円~
- 決算書やKPI資料の作成:約10~100万円
経理アウトソーシングのコストは難易度が高く、作業時間が長くなるほど高額になります。予算と依頼したい業務内容を照らし合わせて、効果的に活用しましょう。
業者によってクオリティが異なる
経理アウトソーシングは複数社あり、業者によってクオリティが異なります。高いコストを払っても必ず自社の社員よりも効率化できたり、経済的にメリットがあったりするとは限りません。
経理アウトソーシングに依頼する場合、1社で決めず複数社を比較して、納得したところを選ぶといいでしょう。
【どこまで依頼すればいい?】経理アウトソーシングの選び方

アウトソーシングが増加している昨今、経理だけでも多くの業者が存在します。「経理アウトソーシングを活用したいけれど、どこを選べばいいだろう」と迷っている場合、以下のような3つのポイントに着目して選ぶといいでしょう。
依頼する業務範囲を選べるか
経理の業務範囲は多岐にわたり、企業によって依頼したい内容も異なります。依頼する業務範囲を選べると、必要最低限のコストで人手が不足している仕事を解消できるでしょう。
依頼範囲が広い経理アウトソーシングを選ぶと、1社に経理業務を依頼できて便利です。必要としている業務だけを選んで依頼できるかチェックしてから、ニーズに応じた業者を選びましょう。
スムーズにコミュニケーションをとれるか
経理アウトソーシングはお金だけでなく社員や部署など、あらゆる情報を連携する必要があります。情報連携にミスがあると、正確なデータを作成できなかったり、社員への給料の支払いが遅れたりするなど、さまざまなリスクになりかねません。
そのため、経理アウトソーシングはスムーズにコミュニケーションをとれるかどうかが重要になります。通常の連絡速度だけでなく、トラブル時の対応の柔軟性もチェックしましょう。
費用対効果があるか
経理アウトソーシングは依頼内容や業者によっては月々100万円の費用になることもあります。安ければいいというわけではなく、支払った金額以上の価値があるかが重要です。ただ安いところを選ぶのではなく、費用対効果があるかを検討したうえで選んでください。
経理アウトソーシングのコストは初期費用だけでなく、ランニングコストも併せてチェックしましょう。
おすすめの経理アウトソーシングサービス3選

最後に、おすすめの経理アウトソーシングについて3つ紹介します。それぞれ特徴やメリットが異なるので、ニーズにあったところを選びましょう。
H2Rコンサルティング
H2Rコンサルティングは、あらゆる会計・経費精算・販売管理のシステムを扱う経理アウトソーシングです。多くの企業が使っているシステムにも柔軟に対応できます。
コストは企業によって異なりますが、カスタマイズしたうえで見積書を作成できるので、費用対効果を見すえた相談が可能です。
契約後は1ヶ月目でしっかり引継ぎをし、4ヶ月目から本格稼働でき、スピード感を求める企業でも安心でしょう。
業務範囲 | 経理処理・財務処理・税務申告付随業務・管理会計・財務分析 |
コスト | 企業によって異なる |
メリット | ・システム取り扱い範囲が広い・企業や依頼範囲によってカスタマイズ可能・約4ヶ月で本格稼働 |
導入事例 | あり |
i-STAFF
i-STAFFは経理をはじめ、幅広いアウトソーシングを依頼できる業者です。各ジャンルによって専門スタッフがいるため、専門家が来るという安心感があるでしょう。
コストは月額の目安がありますが、企業によってカスタマイズ可能です。
どのようなサポートを受けたらいいかわからない場合でも、i-STAFFが課題から逆算して必要サービスを提案してくれるので心配ありません。
万が一対応に満足できない場合は返金保証制度もあるので、コストのリスクも回避できるメリットがあります。
業務範囲 | 経理処理・財務処理・税務申告付随業務・管理会計・財務分析 |
コスト | 月額93,000円(30時間/3カ月契約の場合)月額81,000円(30時間/6カ月契約の場合)月額78,000円(30時間/12カ月契約の場合) |
メリット | ・無料レポートをチェックできる・課題から逆算してサービスを相談できる・返金保証あり |
導入事例 | あり |
メリービス
メリービスはオンライン専門の経理アウトソーシングです。バーチャルで経理部を作れるような感覚で、常駐が難しい企業でも気軽に活用できます。
オンラインであってもリアルタイムのモニタリングを実施しており、常にスムーズなコミュニケーションがとれるため問題ありません。
丁寧にヒアリングをしてくれるので、現時点で経理マニュアルがない場合でも相談できるというメリットもあります。
DX化の専門性が高い企業なので、DX化を検討している場合にもおすすめです。
業務範囲 | 経費精算・帳票・仕訳入力・請求書発行・売掛・買掛金管理・月次決算・経理コンサルティング |
コスト | 企業によって異なる |
メリット | ・コミュニケーションがスムーズ・マニュアルなしでも相談可能・DX化に対応している |
導入事例 | あり |
まとめ
この記事では、経理アウトソーシングがどこまで依頼できるかについて解説しました。
経理アウトソーシングは日次・月次・年次など、必要に応じた経理の業務を外部に依頼できるサービスです。
社内の経理の人手が足りないときに活用するといいでしょう。繁忙期や研修が追いついていないタイミングなど、必要に応じてカスタマイズできる業者を選ぶと、コストを抑えられます。
業者によって依頼できる範囲や取り扱いシステムなども異なるので、複数社を比較し、納得したうえでぴったりな業者を選びましょう。